【エンジニア人物シリーズ】見た目は天才、中身は凡人、俺の名前は何だっけ?前編

Dr. Engineer仕事

僕がIT企業で仕事をするようになって出会った強烈な印象を受けたエンジニアを紹介していきます。
もし、IT業界を目指している人がこの記事を読んだらIT業界に対して変な誤解を生んでしまう可能性があるので先に言っておきます。
あくまでも、僕が一緒に仕事をした中で「強烈に印象に残った」人を紹介しています。
ですので、IT業界で働いているエンジニアのほとんどの人はIT業界だけでなく、世間一般的に見ても常識的な社会人です(でないと、会社が成り立ちませんw)。

どんな人物?

名前:Kさん
年齢:50代前半(たしか、52歳だったような)
実績:IT業界に入って約30年。2回ほど転職をしてそのどちらもヘッドハンティングされての転職とのこと(本当のところはわかりません。)。
ポジション:当時のプロジェクトでSL(サブリーダー)を担当。

見た目が完全に白髪バクハツ博士

僕がその人と一緒に仕事をしたのはエンジニア1年目のときでした。
初めて見たときの印象は「完全に博士じゃん!!」って思いました。髪は全体が白髪になっていて寝ぐせで髪の毛がバクハツしていました。イメージとしてはアニメとかで実験に失敗したキャラクターの髪の毛みたいな感じ。そして、頬は痩せこけていて丸い眼鏡をかけていました。身体も「ご飯食べてるの??」って聞きたくなるくらいやせ細っていて、いつも首をかしげて独り言を言いながらオフィスをうろうろしていました。

そんなKさんをまだエンジニア1年目だった僕は、「こんなに天才っていう言葉が似合う人がいるんだ!」と感動しました。
後にその感動は薄れていくことになるのですが。。。

天才なのは見た目だけ?

Kさんと一緒に仕事をしていてまず思ったことは、「人の話を聞いてない」です。Kさんに「今、よろしいですか?」と聞くと「うん、大丈夫だよ!」といつも返事をしてくれます。しかし、こちらが話をしてもKさんはいつも上の方をみながら口が半開きで「ふ~ん」、「ほ~ん」という相づちが返ってきます。
そして、1時間後くらいに「先ほどの件ですが」と聞くと「さっき?なんかあったっけ??」と大体言われます。これは僕だけに対してではなく、プロジェクトメンバー全員にそんな感じなのです。Kさんはプロジェクトのサブリーダーなのですが、あろうことかリーダーやプロジェクトマネジャーなどの上司の話も聞いてませんw。

いつもミーティングでリーダーやプロジェクトマネジャーが「話を聞いてますか?」「ちゃんとしてください!」と50代のKさんが怒られているのをみて、まだ社会人経験の少ない僕は衝撃を受けました。「50代の人が怒られてる!?」
社会って怖いな。。。

Kさんの仕事術

Kさんがみんなを困らせていたのは話を聞かないだけではありませんでした。
仕事のやり方も独特でした。プロジェクト内でどうしたら効率よく作業が出来るかを話し合ってルールを決めるのですが、Kさんは完全に自分のやり方で作業してしまうのです。。。

例えば、ソースコード内のコメントの残し方です。
プロジェクト内で決めたコメントのルールは
1.そのコメントを残した日付
2.担当者の名前
3.変更箇所についての説明

以上を入れることとしました。例えばこんな感じです。

// 20XX/10/21 KIKUTOYO 条件分岐の条件を追加

しかし、Kさんの残したコメントはこんな感じでした。

// ここの関数を次のバージョンで削除予定のため、少し修正

ルールで決めた日付と担当者がなくて、しかも、変更箇所が具体的に記載されていないためこのときはKさんに改めて変更箇所を確認することになりました。
しかし、Kさんは「どこを修正したんだっけ?」っていう感じで結局前のバージョンのソースコードとの差分を確認する作業が増えてしまいました。

また、こんなコメントもありました。

// 担当者:K 修正日:10月21日

どこ修正したの!! かろうじて担当者と修正日は記載されてるけど(書き方違うけどこの際どうでもいいか…)、また前のバージョンのソースコードと差分を確認しなくてはなりませんでした。

もう一つ、Kさんの独特な仕事のやり方はドキュメント管理です。
ドキュメント管理についてもプロジェクト内でルールを決めました。
基本的にバージョンがあるものはファイル名にバージョン名を入れること。バージョンがないドキュメントは作成した日付を入れること。となっていました。例えば、こんな感じです。

■バージョンのあるドキュメント
「基本設計書_v1.0」
「詳細設計書_v2.5」

■バージョンのないドキュメント
「週次ミーティング議事録_20221021」
「運用状況ヒアリング_20220505」

イメージとしてはこんな感じでドキュメントの名前をつけて管理していました。
しかし、Kさんがつけたドキュメントの名前はこんな感じでした。

■バージョンのあるドキュメント
「基本設計書の8月更新分」
「詳細設計書_作成者K」

■バージョンのないドキュメント
「10月にやったミーティングの記録」
「運用状況の確認メモ」

まったくルールに則っていません。後から確認しようとしたときにファイル名がごちゃごちゃしています。ただ、Kさんのファイル名のつけかたで助かったのはファイル名を見ただけで何が書かれているかは何となく分かったことです。あと、こんな独特なファイル名をつけるのはKさんしかいないので、作成者はKさんだとすぐにわかることですw。ただそれは今いるプロジェクトメンバーだからであって、もしかしたら将来メンバーが入れ替わったり新たに参加するメンバーが増えるかもしれません。
そうなったときに、新メンバーがKさんが作ったファイルを見たら混乱してしまうと思います。実際、そうなりました。

まとめ

結構長くなってしまったので、今回はここまで。
もしかしたら、Kさんのような人が意外と身近にいたりしませんか?IT業界以外でも一見するとめちゃくちゃ仕事できそう!って思ってたけど、実際はアレ?っていうパターン。

そんなKさんですが、実は周りの人から慕われていました。それはなぜか?というところ、仕事以外のKさんについては後編にまとめました。

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