友達の起業に付き合ったらいろんな地獄を見た話 ~起業編~

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僕は現在IT企業でエンジニアとして働いています。しかし、エンジニアになる前は友達が会社を立ち上げるというのでそこに参加していろんな、、、本当にいろんな経験をさせていただきました。
今となってはたまに話のネタにして笑ったりしていますが、その当時は大変でした。

前回の記事で後に起業家として失敗することになるT君との出会いから僕がT君の会社のメンバーになるまでをまとめました。

前回の記事↓

登場人物のおさらい

T君
21歳のフリーター。起業して成功することを夢見てアルバイトをしながら会社設立の準備を進めていた。ついに会社を設立し、起業家としてのスタートを切った。

営業担当のH君
当時、大学生。アルバイトで営業の経験があり、そのバイトで関東地区トップ10に入った実績があるとのこと。

企画担当のS君
当時、大学生。大学でイベントサークルに所属しており、いろんなイベントの企画をしていた経験から今回、企画担当として参画。

起業家のIさん
T君の高校時代の先輩。大学在学中に起業し、3年で海外進出した。T君の会社設立に出資しており、T君にとっての相談役となっている。
シンガポール在住。

身内だらけのスタートダッシュ

会社設立の手続きも完了して、ついにT君を代表とする会社がスタートしました!
この会社の主な事業は広告制作や営業支援として、企業CM制作やホームページ制作、マーケティング、営業代行などをやっていくことになりました。

僕は映像系の学校に通っていたこともあって企業CMの撮影・編集を担当することになりました。
ただ、T君としては企業CMには特に力を入れたいから一つの役割に複数人のメンバーがほしいという要望を出してきました。

ということで、僕が通っていた学校の知り合いに声をかけてみることにしました。そうしたら、1名参加してくれることに!
その人はKさんといって当時32歳でした。元々バンドマンとして活動していたのですが、32歳にして映像の仕事がしたいと入学してきた異色の経歴の持ち主です。
ただ、Kさんは学校のクラスでも一番年上でしたが、明るく関西弁で話すことから自然と周りに人が集まってくるような人でした。

Kさんの作る映像は元バンドマンらしく音楽と映像が絶妙にマッチしていてリズムよく展開が進んでいくのですごく面白かったです。
そんなKさんに
「僕の知り合いが映像の仕事が出来る人を探してるんですけど、Kさん興味ありますか?」と聞くと、
「おお、あるで。めっちゃ興味ある!」
と二つ返事で答えてくれました。

T君をはじめとした会社のメンバーにKさんを紹介したところ、やはりその明るさから即採用となりました。
また、Kさんは学校に通いながらレンタルビデオ店でアルバイトをしていたのですが、その同僚でアメリカの大学で映像を学んだフランス人のBさんという人を紹介してくれました。
このBさんはアメリカの大学を卒業した後、映画関係の会社に就職して数年働いたのち、日本人の彼氏が出来て彼氏の母国である日本に来たとのことでした。

いきなり、Kさんだけでなくアメリカで実際に映像の仕事をしていた(つまりプロ!)Bさんが会社のメンバーに加わったことでT君は自信を深めていきました。
「思った以上に世界は近くにあるぞ!」 by T君

そして、KさんとBさんが加わったことで僕はどうするのかというのが会社の会議でテーマになりました。
僕はBさんとは違ってあくまでも映像を学んでいる段階で、Kさんも僕と同じですが、元バンドマンとしての経歴を活かした映像が作れるし、映像のBGMも作曲できる。
会社的にはその二人がいれば仕事は回せるのでは?となっていました。

そして、T君から言われたのは、
「基本的には企業CMの撮影・編集を担当してもらうけど、ほかにも営業とかホームページ制作もやってほしい。」

…え?まだ、仕事を一つもやってないのに事実上の戦力外通告ですか…。

なんちゃって営業活動

T君から営業やホームページ制作の仕事も担当するように言われた僕はとりあえずスーツを買いました笑。だって何から始めればいいかわからなかったから。
そして、ホームページ制作のためにHTMLとCSSとやらを勉強し始めました。自分でいうのもなんだけど結構頑張って勉強した。

会社としては最優先として営業をして仕事を取ってくるのが課題です。最初はいくら代表とはいえT君自ら出向いて営業活動をしました。そしてそこに僕もついていきました。

営業活動をするとはいえ、会社としての知名度がないので誰も相手にしてくれるわけもなく、まずはT君の先輩で会社に出資してくれているIさんがCMやホームページを作るかどうか検討している知り合いを紹介してくれました。
Iさんがある程度、話をつけてくれているので紹介してもらった企業への営業はそこまで難しくありませんでした。門前払いされることもなく(あたりまえ!Iさんに感謝!)。

そんな状況で紹介してもらった企業へ営業にいって何をするかというと、正直、、、雑談です。

取引先の社長:「Iさんには普段からお世話になってるんですよ!若いのにベテランみたいな存在感があるよね。」
T君:「そうですね。私もほんとにIさんにはお世話になりっぱなしで。はやく追い付きたいです。」

みたいな会話をする感じです。
ただ、場合によってT君と僕とKさんもしくはBさんが一緒に営業に入ってその場でサンプルとして取引先の会社で撮影したりもしました。
あっ、撮影するのはKさんとBさんです。僕は…それをT君の隣で見てる感じ。
撮影した素材をKさんとBさんが後日編集してサンプルのCMをつくって改めて取引先に出向いてT君がプレゼンするという流れで仕事を受注したりしました。

基本的にIさんを通じての紹介なので、大雑把に見たらみんな身内みたいな状況でしたが、それでも駆け出しの会社にしてはポツポツと仕事をもらえていました。

とんちんかんな仕事の進め方

Iさんのおかげで仕事をもらえていましたが、問題はここからです。
仕事をもらえたのはいいのですが、仕事のノウハウはほとんどありません。しいて言えば映像制作におけるBさんの経験とKさんのセンスくらいです。

特に事務的なところが全く出来ていませんでした。仕事を受注したらどんな書類が必要なのか?契約書とか?依頼されたものができたらどうする?納品書とかが必要なの?
とにかく手探り状態でやっていました。ところどころで起業家の先輩としてまた出資者としてIさんがアドレスをくれることもありましたが、とにかくいろんなトラブルが起こりました。

例えば、依頼されていたCMが完成したため納品しようとしたところ、取引先から指定されていた書類を用意できずに仕事はキャンセルになってしまいました。Bさんが撮影し、Kさんが編集してせっかく期日までに成果物を完成させたにも関わらず。

また、取引先との認識のずれから信用を失ったこともありました。
僕たちの会社は撮影を担当して、編集は別の会社がやることになっていたのですが、そこを確認せずに編集までやってしまいました。編集担当だった会社からはお叱りを受けました。その編集担当の会社もIさんとつながりのある会社だったのでIさんにも迷惑をかけてしまいました。

さらにさらに、企業CMとホームページ制作をセットで依頼を受けていたにも関わらず、ホームページ制作を完全に忘れてCM用の映像のみ納品してしまったこともありました。依頼された仕事を忘れるという最悪のことをやらかしてしまったのです。。。

こんなミスを何度もやっているうちにとうとう会社の会議にIさんが参加して、メンバーみんながIさんから厳しいお言葉を頂戴しました。
この時点でIさんはもちろん、いろんな人たちの信頼を失っていました。

まとめ

今回は、T君の会社が設立してからいろんな仕事をさせてもらってその中でいろんなミスをやらかして信頼を失っていくところまでをまとめました。
いくら若い会社とはいえ相手はプロとしてこちらに仕事を依頼してきているのでその辺をしっかり意識しておくべきでした。いまとなっては遅いけど。。。

次回は会社内のトラブルについてです。メンバーの仲間割れが始まり、少しずつ関係が崩れていきます。

続きはこちら↓

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